たいようの映画の感想

映画を観て感動しても、少し時間が経てば結構忘れてしまうんです。そんな忘れんぼうな自分のための記録なんです。

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アレックス (DVD)

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 悪名高き映画「アレックス」

「カルネ」「カノン」の連作が共にカンヌで好評を得たギャスパー・ノエ監督。期待の新作と当時は結構話題になっていた。トレーラーをだけを観ると、まるで清々しい恋愛、もしくは悲恋の映画のような印象を与える。

 ところが。

 これはもう有名な映画で、どんな内容なのかは大抵の人が知っていると思うが、実際見てみると、やっぱり凄い。凄い映画。破壊力で言うとこの映画の右に出るものはないかもしれない。

 例えば、予備知識を余り持たずに、なんとなく話題だしトレーラー観ても恋愛映画っぽいし、とかいう理由で若いカップルが観ると、完全に「失敗だった!」と思わせられるであろう映画に、ミヒャエル・ハネケの「ピアニスト」がある。

 同じような系統の映画ではある。しかし、「アレックス」はその数十倍酷い。もしも若いカップルや家族で観てしまったら、もう……。

 監督がなにを表現したかったのかは、ラストを観れば分かる。

「時はすべてを破壊する」

 そしてそれを表現するために、出し惜しみなく、やりきった。僕はそう感じたし、方法や内容云々ではなく、その監督の意気込み(なのかどうかはわからないけど)はひしひしと感じた。ここまで徹底して観客を不快にさせようとする心意気に清々しささえ覚えた。

 ただ、映画としてみるにあたってはこんなに酷い映画は思い当たらない。だって本当にひたすらに不快だから。不快と言うと表現的に柔らかくなってしまうけれど、要は、物凄く気持ち悪い。これでもかこれでもか、と。そのやり方が下品で下劣で、「映像的」な不快さという単純な方法であるが故にさらにタチが悪く胸糞が悪くなる。同じ不快な映画でも「ファニー・ゲーム」とは全く意味が違う。
 ラストで幸福な妊婦として彼女を捉えるのも、ぐるぐる回転するカメラもそう。

 リアルな描写はもちろんだけど、個人的にはあのぐるぐるカメラが本当にしんどかった。パソコンの液晶で見ていて気持ち悪くなるんだから、映画館のスクリーンで観ていたらどうなっていたことか。恐ろしい映画だ。

 そしてもちろん観終わったあとにも何が残るわけでもない。
 満足そうな監督の顔がぼんやりと想像できる。 
 こういう映画があってもいいんじゃない? とは思うけれど、決して人には薦めないし、商業ベースに乗ったこと自体に驚き。


(2002年/フランス/ギャスパー・ノエ監督)

| 映画 ☆☆ | 21:08 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ピアニスト (DVD)

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 2001年のカンヌのグランプリ、主演男優、主演女優賞の三冠を達成した映画。こう聞くとどんな名作かと思う。だが監督は「ファニー・ゲーム」「隠された記憶」のミヒャエル・ハネケ。一筋縄で行く映画では到底ない。
 年の離れたピアニストの純愛映画、なんて勘違いして観たカップルは、恐らく最後までの鑑賞に堪えないだろう。これは「ファニー・ゲーム」に匹敵するほどに痛々しく、辛い映画だ。それっぽいコピーでラブストーリーと謳っていることで、さらに危険度を増している。
 相当な程度の覚悟を持って望んだとしても、鑑賞後沈鬱な気持ちになることは避けられない。


 国立音大で教授を務めるほどのピアニストである彼女が持つ、屈折したもの。
 それを単なる性癖と呼ぶことなど出来るだろうか?
 鑑賞者が与えられる情報は相変わらず少ない。
 彼女は普通に見れば40代だ。若く見ても30代後半。それなのに、親とのこの関係はなんだろう。干渉、束縛。
 だが生理が来なくなるような年ではないはずだ(多分恐らく)。だとしたら、バスタブで行った行為は、過ぎてしまった女性の自分を取り戻そうとしたのではなく、彼女にはそれが訪れたことが未だないのではないか、僕はそう感じた。
 いずれにせよ、普通の精神状態で為す行為ではない。それだけ彼女はなにかに追い込まれ、取り憑かれているのだ。

 彼女は確かに求めていた。それは長い時間をかけて少しづつ鬱積した羨望であり、様々な心境が作用した屈折した欲望ではあったが、彼女は真摯に、心の底から、それを願っていたのだ。
 だが気付いてしまう。それは間違いだったと。
 そして、求めていたものをなにひとつ受け入れられない自分自身に、絶望したのだろう。

 性、とは、大人と子供を隔てる一つの要素であり、親子の距離において、その重要性は増す。親子が離れられないからこそ彼女の性は屈折し、性が発達しないからこそ、親子がいつまでも離れられない。きっとそのことを彼女はよく理解していたのだろう。
 だからこそラストカットは、彼女が始めて開放された瞬間だったように思う。

 
 よくよく咀嚼すれば、ある女性の悲しい物語と捉えることが出来るが、自分にはいかんせん痛すぎました。刃物は苦手です。
 そして男としての立場からすれば、相手役のブノワ・マジメル同様、彼女への腹立たしさが先行してしまいました。(されたことないけど)あの寸止めは確かに拷問。その苦悶の表情を恥ずかしげもなく演じたことが、彼を主演賞へと導いたのかもしれません。

 カンヌのグランプリとは実は審査員特別賞である辺り、確かに評論家等には受けがいいのかもしれないけれど、間違いなく僕ら一般人が他人に薦めることは出来ない。
 ハネケ監督作品特有の、難解で痛々しくて不親切。プラスこの映画は下品でエロ。でも、長まわしのワンカットが抽出する独特の美、空気感はやっぱり好きです。


(2001年/フランス・オーストリア/ミヒャエル・ハネケ監督)

| 映画 ☆☆ | 03:36 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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ファイヤーウォール (MOVIX亀有)

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 久々にハリソン・フォードを見た。彼はやっぱりどんなに年を取ってもかっこいいヒーローなんだなと実感。

 ストーリーは銀行のセキュリティを設計したハリソンさんと、銀行のお金を狙う強盗さんの攻防。いまや強盗さんも金庫を破る必要はなくなったんですね。確かにバイトの給料だって通帳に金額が印字されるだけでその分のお金を実際に手にしたことは一度もないし、インターネットバンキングをよく使うようになった最近ではクリック一つでお金が動く。なんだかお金の概念がちょっと変わってきたのかもなぁ、って今さら思ったわけです。

 まぁ、特に関係ない話題でしたね。つまり、そんな現代のお金事情からすれば、とっても説得力があるテーマだったというわけです。そしてセキュリティを突破するにはそれを作った人間を抑えればよい。これも至極当たり前なんだけど、なんだか意外な盲点をつかれたように納得してしまう。

 たださ、実際どうなんだろうね。こんな映画が出来ちゃってさ、本当にセキュリティの設計者って危なくなったりしないのかね。それともそんなことは当に承知で設計者でもどうにもならないようなレベルのセキュリティの設計になってるのかな。そうだとしたら、なんだか凄いことになってるんだね、世界って。

 とまぁ世間話みたいなダラダラ進行も、致仕方なし。なのです。
 だって特に感想書くことないんだもん。

 僕は結構こういうサスペンス的なものも好きなんだけど、これほどまで感想がない映画も珍しいよね。なんというか、良くも悪くも「ふーん」って。
 ハリソンさんはかっこいいし、敵役のポール・ベタニーもさすがにうまいし、ストーリー的にも無理がなく、無難に伏線を撒いて普通に生かす。なんていうか、基本に忠実でサスペンスの初号機みたいな感じ。

 僕的にはサスペンス的なものでいえば「フォーン・ブース」が凄かったなぁって思ってるわけです。あと少し雰囲気変わるけどやっぱり「メメント」とか「ソウ」とかね。

 ああそれから、ハリソンさんはいくつになっても強いね。断然若者のポールさんと殴り合って勝っちゃうんだから。ただの中年理数系サラリーマンが、金銭強奪を狙うスポーツ万能(っぽい)青年にですよ。いやはや、羨ましい限り。


 もとから全然見たい映画ではなかったんだけど、最近歩いて行ける距離に出来た映画館、MOVIX亀有を確認がてら鑑賞。13くらいスクリーンあるのに、見事にアニメばっかでさ。しかも日曜夕方なのに、この映画見てるの自分含めて七人でしたよ。
 大丈夫なのかねぇ。


(2006年/アメリカ/リチャード・ロンクレイン監督)

| 映画 ☆☆ | 23:48 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

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