[まだネタバレなし]
サンダンス映画祭で脚本賞を受賞。世界各国で絶賛。その後オスカーやゴールデングローブ賞の脚本賞にもノミネート。監督クリストファー・ノーランはこの作品で株を上げ、2005年に「バットマン・ビギンズ」監督に抜擢。
【主人公は妻を殺されたショックで記憶が十分間しか持たない障害をわずらっている。10分以上前のことは思い出せない。どんどんと遠くなっていく妻の記憶。犯人に復讐を。妻の全てを忘れてしまう前に。それが彼の生きがいだった。
朝起きると彼は自分のことも、今いる場所のことも思い出せない。だからまずは鏡の前に立つ。自分の胸にはこう書かれている。
「妻の復讐を」
なにかの手がかりを得れば、それを身体に刺青で彫りこむ。そうすれば記憶をなくしても手がかりは失わない。こまめに写真を撮り、メモをする。毎朝目が覚めて体を見る。自分の身体に刻まれた多くのヒント。
それを頼りに、彼は今日も犯人を追う】 10分でひとつのシークエンスを、過去へと逆行していく形で映画は進む(10分前のお話、その前の10分間のお話、その前の10分…て感じ)。冒頭は彼が妻を殺した犯人を突き止め殺したところからスタート。そこから10分ずつ逆戻り。
その一つのシークエンスごとに色んな新事実が出てきて、結局真実はどこへ行き着くのやら…。と思って見ていると、ちゃんと収まるべくところに収まるんだよね。すごい。
これぞ新感覚映画。逆行していく時間軸によって、観ている側も記憶を失っていく彼と同じ感覚を味わえます。スタイリッシュな映像も脚本の良さを引き立ててるし、見終わったあとにずっと考え込んじゃうってのも大好き。この映画の話題で一日議論できます。ほんとに。
謎解きサスペンスの傑作、金字塔だと思っております。
(2000年/アメリカ/クリストファー・ノーラン監督)
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[こっからネタバレ] 映画を見ながら逆行する彼の記憶を必死で頭の中で繋げて……ってことをするのも、なかなか面白いことでした。それでも騙されたね。こんな結末とは。
なぜ彼は無意味な復讐を繰り返さなければならないのか。
生きがいを持ち続けるため。
そう彼は言う。じゃあ、生きがいってなんなのか。
彼はもっとも愛していた妻を失った。そして記憶を維持する身体の機能も。それは愛した妻の存在すら消えていってしまうということ。
最初の復讐を終えたとき、彼はそのことに気が付いたんじゃないだろうか。復讐が終ってしまえば、妻のことを思い出すきっかけがなくなってしまう。
つまり、彼の生きがいとは、妻の記憶なんじゃないのかな。
重い病気をわずらい、普通の生活を送るのが困難になった最後の希望は、自分が愛し、愛された妻がいたことだったんじゃないかと。
まあ、深読みですが。
とにかく、サイコーの映画でした。
DVDでは時間軸通りの再生もできるんだよね。だからちんぷんかんぷんな人はこれを見れば納得するかと。