たいようの映画の感想

映画を観て感動しても、少し時間が経てば結構忘れてしまうんです。そんな忘れんぼうな自分のための記録なんです。

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アメリカン・ヒストリーX (DVD)

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【兄さん、僕たちの物語は、憎しみの歴史にピリオドを打てるだろうか―――】

 エドワード・ノートン主演。この年のオスカーにノミネートされるも受賞は逃す。獲ったのがジャック・ニコルソンだったのを思えば致仕方ないが、全く負けてない熱演ぶりであった。

 父を黒人に殺されたのがきっかけで極端な白人至上主義に走る男と、その兄を尊敬する弟の物語。
 差別問題を前面に押し出しているような映画だが、監督が本当に伝えたかったことは、「怒りが君を幸せにしたか?」という台詞が物語っているように、憎しみが生むものとはなにか、ということ。
 
【黒人の全てが憎かった。その存在全てが悪だった。
 だから黒人を殺すことに躊躇なんてなかった。

 だが彼は変わった。変わらざるを得なかったのかもしれない。
 そして彼はもう一度見つめ直した。
 今まで自分がしてきたことの意味はなんだろう、と。
 気が付くまでにそう多くの時間は要らなかった。

 あんなことには、なんの意味もなかった。

 彼は出所し自分を崇拝していた弟に、組織に、自分の気持ちを投げかける。

 こんなことには、なんの意味もないじゃないか。

 だが聞くものはいない。かつての自分がそうだったように。
 せめて、と彼は思った。せめて弟だけには分かってほしい。今の自分達のしていることがどんな意味を持つのか。
 弟は、兄の話に耳を傾けた】


 この弟は学校で出された課題で、兄についてのレポートを書く。後半はそれが読まれていく形でストーリーが進む。弟はレポートにこう綴る。

【憎しみはあまりにも重い荷物だ――
         怒りに任せるには、人生は短すぎる】




 とにかく心の深くに刺さってずっと抜けない映画。多くの人に見て欲しい。しかし、あまりに辛い映画でもある。だからこそ意味があるとも言えるかもしれないが、僕にはいささか辛すぎた。鑑賞後こんなに凹んだ映画はかつてなかった。それくらい惹き込まれてもいたということ。
 
 弟はレポートを書きながら、兄の白人至上主義はどこから生まれたんだろう、と考える。それは、父だった。もちろん他にも根拠はあった。だがきっかけになるには、父の言葉というのは充分すぎる。生まれながらに差別感を持った人間なんていないのだから。
 憎しみが生むものは、憎しみでしかない。 
 そのことを痛いほどよく学ばせて頂きました。


 日常の生活の中で、ムカつくことなんて腐るほどありますが、その度にこう思い出します。
 「怒りに任せるには人生は短すぎる」と。
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(1998年/アメリカ/トニー・ケイ監督)

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