
圧倒的な人気を誇り、傑作と名高い漫画「DATH NOTE」の映画化作品。
もともと人気を博した原作の映画化は、原作ファンからほぼ例外なく「原作の良さが出ていない」と酷評されるもの。独特の世界観を完璧すぎるほどに構築していたこの原作ならば、どんな完成品を提示してもある程度叩かれることは承知の上だったのだろう。知名度と話題性だけでかなりの集客が見込める素材だったとしても、映像化はかなりのチャレンジだったのではないか。
まず主要キャストは、藤原竜也から藤村俊二まで、ヴィジュアル的にはとても原作に忠実で違和感はなかった。松山ケンイチは個人的にあまり好みではないけれど。
映像化に際して大きなポイントであったであろう死神リュークも、登場シーンこそやはり違和感はあったものの、すぐに慣れることができた。
もう一つのポイントであっただろう、心理描写。原作でライトとLが語る台詞は全て上辺だけの会話であり、その奥で行われている心理的かけひきこそが一番の見所であり醍醐味だった。そこをどう表現するかがこの映画の殆ど全てだったように思う。
これに関しては、決して上手に描いていたわけではないが、上手いこと誤魔化した、もしくは心理描写を描く必要をなくした、という感じだった。
ストーリー展開では無理に話を詰め込みすぎず、適度なスピードで過不足なく、あの独特の世界観を表現できていたように思う。ライトがなぜノートを駆使して世界を変えようと思ったのかのくだりは、特に丁寧に説明されていた。恐らく原作を読んでない人でも置いていかれることはなかったのではないか。
原作とは違った設定、違った展開を見せ、後編への期待を膨らませて幕を降ろすことに成功している。
つまり感想としては、素晴らしい、と思ったのです。
勿論気に食わない点もたくさんあったが、恐らく大抵の人をおおよそ満足させるには充分な内容だったのではないだろうか。
全くもって期待せずに、むしろがっかりすることを想定して観に行ったので、いい意味で裏切られた。あの原作をよくここまで表現できたものだ、と感心した。
しかし物足りなさがあったことは否めない。それは心理描写を省いたせいで原作のような重みに欠け、ただのサスペンス映画のようになってしまっていたからかもしれない。
これは展開上仕方ない(Lが活躍する場面まで行っていない)が、Lの魅力は殆ど出ていなかった。あれじゃただの菓子好きの変人だ。
もっとも残念だったのが、ライトのキャラ。美男子で知的で、それなのに超が付くほど独善的で冷酷。そんなキャラだからこその魅力だったのだが、どうも少し違う方向へ行ってしまっている。ラストのシーンでは、あんな湿った空気でリュークに打ち明けるのではなく、「全部僕の計画通りさ。ハハハハ」くらいの軽い雰囲気で笑ってほしかった。その方が絶対に原作のライトに近い。
それらの点で不満はあれど、全体で観れば、やはり充分に満足のいける映画だった。
そしてこの映画が傑作漫画の映画化作品の成功例として名を残すか、「デビルマン」や「あずみ2」のように大顰蹙をかう映画になるのかは、後編次第。
期待してます。
それにしても、日本の大作って滅多に見ないから、たまに見ると細かいところが気になってしょうがない。主にスポンサー関係の。携帯電話をアップで映し過ぎじゃない? とか。
あ、それからこの映画の監督って「あずみ2」の監督と同じだね。
(2006年/日本/金子修介監督)
2センチバストアップ!!
ビルドアップ?
あと何センチで揉めますか?
| あたち | 2006/07/03 04:15 | URL |