たいようの映画の感想

映画を観て感動しても、少し時間が経てば結構忘れてしまうんです。そんな忘れんぼうな自分のための記録なんです。

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STAY/ステイ (恵比寿ガーデンシネマ)

[ネタバレなし]

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 stay……留まる、立ち止まる・待つ、滞在する、〜のままでいる、長続きする・持ちこたえる、止める・防ぐ、延期する・猶予する
 (グランドコンサイス英和辞典より)

【許してくれ
 ブルックリン橋を見上げる風景
 あの人もう死ぬの?
 愛しいフィアンセ
 21歳で自殺した画家
 噛み付く犬
 許してくれ
 死んだはずの両親
 動かしてないわ
 横転する車
 土曜は僕の誕生日なんだ
 亡くしてしまった指輪

 どこまでが夢でどこからが現実か?
 そんなの僕にだってわからない。
 もちろん君にだって】


 監督は「チョコレート」「ネバーランド」のマーク・フォースター。脚本が「トロイ」「25時」のデビッド・ベニオフ。
 この二人が作った新作「STAY」は、まるでデヴィッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」や、ミヒャエル・ハネケの「隠された記憶」のようだ。簡単に言えば、難解なのである。
 
 ただ決定的に違うのが、映像美だ。

 序盤から最後まで目を見張る独特の映像が続く。色彩、アングル、カット、繋ぎ。これは好みもあるだろうが、個人的には100分間その不思議な映像だけで充分に楽しめた。 
 そして難解とは言っても、頭を使って繋ぎ合せて行くような映画とはまた違う。
 
「この映画の謎は、頭で考えても決して解けない」

 そのコピーどおり、どんなに考えたって全ての辻褄があうことは恐らくない。むしろ考えれば考えるほど馬鹿馬鹿しい映画だと感じるかもしれない。ややこしいことを考えずに、目を見張る妙な映像を流されるままに追っていればそれで事足りると思う。だがスクリーンのあちこちに散りばめられた様々な兆候を見逃してはいけない。
 そして最も大事なことは、この物語を'感じる'ことだ。

 ラストで明かされることについては、僕はああいったオチは余り好きではない。ネタバレになってしまうので伏せますが、昔観た映画で似たようなオチのものがあって、それは完全に肩透かしな気分でした。でもこの映画は、あまり好きではない種類の結末を遂げたにしても、鑑賞後全く不快感や腹立たしさはなかった。
 ただ悲しさや辛さに似た感情が募り、呆然とエンドロールに魅入っていた。

 また、ライアン・ゴズリングが出演していたことも僕には大きな魅力だった。彼は大好きな役者の一人です。「16歳の合衆国」「きみに読む物語」に続いて、いい作品に出演しましたね。そして相変わらずいい目をしてます。

 夢と現実の狭間が見えなくなり、自分を見失い混乱する。
 それは有り得ない話に聞こえるかもしれないけれど、実は本当の現実はそんなものなのではないだろうか。
 多くのことを得て、忘れ、毎日押し流されるように進み、ある朝夢から覚めたとき、ここはどこだろう、自分は誰だろうと思う瞬間。 
 これはそんな映画だ。

 もう一度観たいけれど、もう一度観たらどこかで泣いてしまうかもしれない。「許してくれ」というフレーズを思い出すたびに本当につらい気持ちになる。
 
 

 しかし、公式サイトでわざわざ細部までネタバレするのは不必要だと思う。こういった類の映画は、鑑賞後もあれこれと考えるのが楽しみなのに、あんなに答えを用意されたら面白味も半減してしまうし、ネットで口コミでの広りも弱くなってしまうだろう。まぁ、嫌だったら見なきゃいい話なんだけどさ。


(2005年/アメリカ/マーク・フォースター監督) 

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