2006.04.29 Sat
『隠された記憶』(ミヒャエル・ハネケ監督/05年)
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なんていう映画を観てしまったんだ!!
それが鑑賞後の率直な感想でした。
『ファニーゲーム』(97年)や『ピアニスト』(01年)で知られる奇才ミヒャエル・ハネケ監督作品で、ヨーロッパ各地の映画賞を総なめ。カンヌでも監督賞など三部門受賞。公式サイト、フライヤーでは「衝撃のラストカットを見逃すな!」と大々的にアピール。
評価としても賛否両論あるようで、おすぎは「この映画の面白さが全く分からなかった」と切り捨てていました。
僕もこの映画は正直意味が分かりませんでした。ただ、それが"つまらない"とか"駄作"とか言うのではなく、映画の意図していることが理解できないということで、だから"良い"とも"悪い"とも言うことができないのです。
あらゆる意味で、怖い映画です。いや、恐ろしい映画。
なにが起きているわけでもないのに、スクリーンの向こうの世界からは終始不気味な空気が醸し出されている。観ているものとしてはどうにも不快感を覚えずにはいられない。なんの関係もないシーンで肩の力を抜いていると、突然衝撃的な出来事が起こる。
そして観客が答えを必死に探していると、不意に映画は幕を降ろしてしまう。
ラストカットについては、確かに驚きではあった。でもそれを目にしたところで物語の全ての謎が解けるわけではないし、むしろ新たな謎が噴出するだけ。「衝撃のラストカットを見逃すな!」っていうコピーは、確かにその通りで、普通だったら見逃しますよあんなもん。むしろ気付いた自分に驚き。なにせすごく分かりづらいから。
きっと「こんな解釈だってできますよ」っていう監督からのヒント、もしくは悪戯心のようなものだろうと感じました。
「僕は映画を使って答えを示すのではなく、問題提起がしたいのです」
「最近の若者は答えを出してもらうことに慣れてしまっている」
「僕が観たいのは、映画を観終った人たちが、この映画に対して様々な議論を交わしている姿なんです」
監督はこの映画に関してこんな言葉を寄せている。まさに監督が望んだように、この映画に関して様々な議論がなされることでしょうね。
個人的には、監督が伝えたいこと、その提起したい問題がなんだったのかもよく分からなかった。色々と想像はできるけれど、そのどれにも確然とした理由が見つけられない。恐らくフランスの社会問題的な内容も扱っているようで、フランスとアルジェリアの関係に殆ど無知だったことも理解し難かった一因かもしない。
でも、とにかく凄い映画だった、ということは間違いないです。インパクトで言えば過去に例を見ないくらいに強烈だし、冒頭から途切れることのない緊張感というのは余程の技術がないと出来ないことだと思います。様々な解釈を許す、という点でも僕好みの映画でしたし。
それにしても極端に観る人を選び、理解に苦しむ、あまりにも特殊な映画でした。
今回は別記で《ネタバレを含んだ感想編》も書いてみました。
* * * * *
蛇足です。
この映画のように都内単館上映だと有名人と遭遇することもありますが、今日は津川雅彦さんがいました。キャップを被っただけで、顔も丸見え、周りもみんな気付いてました。しかもシャレオツなおじさんでした。素敵でした。
あと、邦題のセンスが悪くないかい?
(製作:フランス、オーストリア、ドイツ、イタリア/シネセゾン渋谷にて鑑賞)
| 映画 ☆☆☆ | 23:12 | comments:5 | trackbacks:5 | TOP↑
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はじめまして。コメント&TBありがとうございました。こちらからもTBさせていただきます。ネタばれ感想の方も読ませていただきましたがかなり深く考察してますね〜。僕もジョルジュのマジッド殺害説を支持します。「隠された記憶」ってのはそのことなんじゃないかな〜なんて思いました。
>今日は津川雅彦さんがいました
僕は初回で観たのですが同じ回でしょうか??
| nappa | 2006/04/30 07:47 | URL |