[激しくネタバレ]
【考えろ。
今までの人生で、どれだけの罪を犯したか、どれだけの人を傷つけたか。そして、お前を15年間監禁したのは誰なのか……。
考え出すと驚くほどの心あたりがあった。だが、肝心の事実に行き着いた時には、催眠術で忘れさせられていた、と思う。
お前が単に忘れていただけだろう?】 真実ってなんだろう。
確かにウジンの姉の死はデスに非はないかもしれない。だが、自分に都合の悪い事は「忘れる」。そんなデスの(更にはウジンも含め、ひいては人間全ての)自分勝手さを映したかったのだろうか、と感じた。
そして、ラストの決断。結局記憶を忘れられたのかは良くわからなかったが、どちらにしろ、彼が「忘れようとした」ことに変わりはない。
自らの罪も、かつて愛した妻の事も、娘の事も。
そうする事によって、娘を愛し、幸せになろうとした。
だが、それが幸せだろうか。これは人の価値観によるところだけども……。
本当に壮大な復讐劇は想像を超えた。この女娘なんじゃないの? とは誰もが思ったろうが、うま〜く目線をそらさせて結末に持っていった。言いすぎでしょ〜 って思うほどの宣伝文句に全く負けていなかった。
暴力、性描写、最大のタブー。あの二人のラブシーンは、あの時はなにも知らずに見て、そこまで執拗に見せる必要あるのか? と思ったが、最後にしっかりと生きてきた。全てを知ってからだと、あのシーンがどれだけ美しく深く残酷だったがよく解る。
脚本や映像や役者、どれもなかなか良かった。さすがはカンヌグランプリ。でも個人的に、全てを知った後の展開がいまいちだったが。あそこまでの復讐をしておきながら、デスを殺すでも娘にばらすでもなく、自殺。ふむ。
【俺達は全てを知っていて愛し合った。お前はどうだ?】 というセリフと、リモコンを押してウジンを殺そうとしたデスの行動からしても、やっぱり自分だけ死ぬというのはどうも……
デスにも親近相姦させて、ふう満足。ってこと?
人は誰でも、自分の意図とは関係なく人を傷つけている。それはきっと避けられないことだし、そのひとつひとつに罪悪感を抱いていたら生きて行けない。復讐は間違いなく度を越えていたし、ただの逆恨みでしかない。
だけど。
誰にだってひとつや二つ疚しいことはある。そう思うと、やっぱり恐ろしい。
(2003年/韓国/パク・チャヌク監督)