たいようの映画の感想

映画を観て感動しても、少し時間が経てば結構忘れてしまうんです。そんな忘れんぼうな自分のための記録なんです。

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さよならみどりちゃん (DVD)

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【ゆうこは自分の気持ちをうまく表すことが出来なくて、頼まれると断れない。それから、ユタカのことが好き。
 ゆうことユタカが初めてやった時、ユタカは言った。
「俺、彼女いるから」】


 南Q太の漫画が原作。星野真理と西島秀俊が主演。
 南Q太漫画はいくつか読んだことがあって、この原作は読んでないけど、もの静かでリアルな描写や、軽いタッチなのに切なさを呼ぶ雰囲気など、とても原作に近い世界観だったと思います。
 まぁ、なにを差し置いても、この映画の魅力は星野真理。好きなタイプではあったけど、こんなに魅力的な女性だったんですか彼女は。不安定ではあるけれど恋に取り乱すほどでもない、そんなある時期の女性の姿をとてもリアルに演じてました。
 自分は「心中エレジー」然り「誰がために」然り、これくらいの規模の邦画って大好きなのよね。声高にみんなに勧める気にはならないし、そこまでグッと来るものは殆どないんだけど、邦画だからある程度安心して見れるし、表現の工夫や雰囲気を感じやすいからだと思う。
 そしてこの映画も然り、でした。

 ユタカは女性に対してとても軽率で、周りの人に迷惑をかけてばかり。でもきっと、ユタカにだって色んなことがちゃんと見えている。だったら尚更軽率なのはいけないことだけど、なんとなく、ユタカに共感してしまいそうになる。男だからだろうな、きっと。

 断れなかっただけなのか、気持ちのバランスを保とうとしたのか、それともユタカと対等になりたかったのか、他の男と寝るゆうこもあくまでサバサバとし、ふざけて見せる表情が印象的だった。
 でも他の男と寝てみたところで、そこに感情は生まれず、自分が求めているのはやっぱりユタカだと再認識するだけなわけで。

 ゆうこが他の男と寝たことを知ったユタカが言う台詞。
「こういう関係もいいよな」
 それを聞いたゆうこが堪えきれずに言った素直な気持ち、「私はユタカが好き。だからユタカも私を好きになってよ」
 彼女が始めて素直な気持ちを露出したシーンで、でもユタカはその言葉を聞くと彼女に背を向けて部屋を出て行く。
 この場面でも、俺はどうにもユタカに共感してしまいました。もちろんゆうこはなにも悪くないし、ユタカの身勝手さを際立たせる場面でさえあったかもしれない。でもどういう訳か、仕方ないよな、って思っちゃった。

 恋愛に対等はきっと存在しなくて、いつだってどちらかの片思いのようなものなのかもしれなくて。そんな、誰でも経験したことのある淡い切なさがこの映画にはあったと思う。一時的に求め合うことはあっても、それを持続するのは至極困難。セックスをしたからと言ってそれは必ずしも恋ではないのと同じように、全く揺るがない想いはない。だから恋は難しいのよねきっと。

 ゆうこはなにかを振り切ったように、笑顔で唄う。
「愛の告白をしたら最後 そのとたん 終わりが見える (松任谷由美/14番目の月)」 


(2004/日本/古厩智之監督)

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